おともだち・幸ちゃん(3)

三人目の幸ちゃんは、大学の同級生
関西出身だった

漢字は同じだが、ゆきちゃんと読む

私はそのとき、旅行会社に就職したくてビジネス系の学科にいた
周りはスチュワーデス(今でいうCA)やグランドホステスになりたい人
バイトでモデルや地方局レポーターをやっている子が多数で
自己肯定感低めの私は、あまりクラスの雰囲気に馴染めずにいた

幸ちゃんは、経済学部にいたから授業で一緒になることはほとんどなかったが
レゲエが大好きで、服装も異色を放ち個性的だったから
すぐ目についた

仲良くなるのに時間はかからなかった

彼女は小さめの倉庫を借りて、自分で暮らしやすいようにリノベーションして
アパートとして使っていた

剥き出しの天井
和を取り入れた照明
台所の小物
飾り棚の流木

いちいちセンスがいい

あなたの脳みそ全部右脳で出来てる?
と言ってしまうくらい感覚全開で生きている人

そして ”世界中の子どもを幸せにする仕事がしたい” と言っていた
貧困や人身売買がまだなくならないことに心を痛めていた

独りでふらっと旅に出る癖も一緒だった
どこでどんな経験をしてきたか、よくシェアし合った

彼女の言葉は魂の奥深くから出てきていて
それが、衣食住、信念、作品、行動の中にすべて表現されていた

最後に逢ったのは25の時
神戸のルミナリエと六甲山を案内してくれた

「夜景やイルミネーションはこうやって見ると感動が3倍にも4倍にもなるんよ」
とどちらも、目隠しをしたまま手を引いて連れて行かれた
「まだ、まだ、まだよ」
せ~~の! はいっっ

演出が、この上ない

その三年後、彼女は南米で遊泳中に亡くなってしまう
遺体は上がっていない

幸ちゃんらしいな

未だに思う
こんな時、幸ちゃんなら何て言うかな?
こんな時、幸ちゃんならどうするかな?

聴いてる?
貴女ともっと魂の会話がしたかったよ

また逢おうね🥹

投稿者プロフィール

高橋 友里安
高橋 友里安くれたけ心理相談室(庄内支部)心理カウンセラー
幸せの宝探しをお手伝いいたします。そして、ご自身の中に深い深い安堵感が得られるまでサポートいたします。 心理カウンセラー 高橋 友里安

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