1番最初の記憶はおばあちゃん

私は部屋の片隅に立っている

奥のベットに寝ているおばあちゃんが手招きする
自分の背より高い場所に寝ているおばあちゃん

枕元に近寄って手をさしのべる
しわしわの手
大きくてあったかい手

あ~~く~~しゅ!

金歯がのぞく笑顔と紅白の水玉まくら

と、ここまで

数十年後、じいちゃんが亡くなって家の荷物整理をしていたらこの水玉まくらが出てきた

「あ、この枕ばあちゃんのだよね」と言ったら
叔母がびっくりしている

なぜって
ばあちゃんは私が1歳半の時に亡くなっているから

でも確かにあの時、私はおばあちゃんから力をもらっている
この人から命を受け継いでいるなあと感じる

命のアンカリング

逢った記憶は1度しかないけれど
今も近くにいてくれる気がする

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高橋 友里安
高橋 友里安

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