そこにいた4日間 その１
高橋 友里安ある水曜日の昼下がりに電話が鳴った
「ちょっと出てこれるか？」
なにがあったのかは知らない
その時奴は断酒の真っ最中だった
苦しくなるとよく電話をかけてきた
そんならちょっとお茶でも飲みながら話を聞こうか
そんな感覚で家を出る
依存症から抜け出すその過程がどれほど大変か
界隈の方ならよくおわかりかと思う
イネイブリングだと言われるかもしれない
でも私はよく彼の話を聞いていた
トランプでゲームするように
お互いの人生のカードを斬って出し合った
その日もそのまま車を走らせながら
奴の吐き出したい気持ちを散々聞いていたら
作並温泉というところまで来てしまい
そのまま泊まることにした
温泉に泊まりながら
話が止まらない1日目
もちろん乾杯はジュースで
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