思い出の場所(#245)
98年の沖縄石垣島
錆び付いた車を少しの空き地に駐める
草をかき分けて、白砂の道を進むと
その先は海岸線
2歳の息子は浮き輪を持ったまま
海めがけて走り出す
0歳のムスメはバスケットの中で眠っている
日陰にムスメを寝かせ
私達はどこまでもブルーの世界を
沖へ沖へ泳いでゆく
足下は珊瑚礁
聞こえるのは
風と波と家族の笑い声だけ
しばらくすると
お昼寝から起きた娘が
浜で泣いている
私はゆっくりと泳いで浜へ娘を迎えにゆく
今はもうない
思い出の場所
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