おともだち・幸ちゃん(2)

今日ご紹介の幸ちゃんは小学4年生の時のお友達

彼女はお母さん、お姉ちゃん、弟くんと4人で一軒家で暮らしていた
私の家は集合住宅だったからとても羨ましかった

お父さんはいないと言っていたが、遊びに行くと
いつも違う男の人がいる
「ママの旦那、気にしないで!」とさっちゃん

お姉ちゃんは中学生だった
いつも鏡の前に座ってお化粧の練習をしていた
中学生ってすごい~ と感じる10歳

だからなのか、さっちゃんはとても大人びて魅力的な人だった
クラスで走るのが一番速くて、それも蝶が舞うように走った

クラスで走るのが一番遅い私に、速く走るための肘の振り方を教えてくれた

スカートをフワッとひるがえしてそのまま膝を抱えて座り込むのが常で
私の記憶の中の彼女はいつもこの格好をしている

ただ、いきなり学校を休む時があった
心配になって家まで行くと、玄関の扉がトマトだらけになっている
誰かに投げつけられた痕

私のうちは父の借金取りからの張り紙をよく貼られていたので
なぜトマトなんだ? と理解に苦しむ10歳

大人の抗争に巻き込まれていたらしい
「もううちに来ない方がいいよ」
と言われてから疎遠になってしまった

弟くんはこの頃4歳くらいだったと思う
「幼稚園に行ってみたい」と話していたのを覚えている
原因がわからないが、ランドセルを背負うことなく逝っている

さっちゃんと高校2年の時に偶然再会した
お腹が大きくなっていた
歩道の縁石に二人で座り込んで日が暮れるまで話をした

やっぱり膝を抱えて座るスタイルは変わっていなかった
大きなお腹でも

そして彼女がなぜいつもそんな座り方をするのか
後に理解した

ヤンキーだからではない
男の人から自分の身体を守るためだった

中絶も何回かしているから、今回は絶対産みたいと言っていた

その後、彼女は17歳で元気な女の子を産んだ

数年後、もう一人女の子を産んだということも
風の便りで聞いた

どんな子育てになりましたか?
あの時話していた優しい旦那さんは今も一緒にいますか?

また偶然でもいいから会いたいです

さっちゃんが名前の通り
幸せでありますように

投稿者プロフィール

高橋 友里安
高橋 友里安くれたけ心理相談室(庄内支部)心理カウンセラー
幸せの宝探しをお手伝いいたします。そして、ご自身の中に深い深い安堵感が得られるまでサポートいたします。 心理カウンセラー 高橋 友里安

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